永手元供養とは?やり方やメリット・デメリットを詳しく解説

近年、お墓のかたちが多様化する中、供養にも新しい方法が登場し、中でも手元供養の人気が高まっています。
手元供養とはどんな供養なのか?やりかたやメリット・デメリットを詳しく解説いたします。
手元供養とは?
手元供養とは、お墓や納骨堂に遺骨を納める代わりに、自宅で遺骨や遺灰を保管して供養するもので、「自宅供養」とも呼ばれます。
手元供養には遺骨ペンダントのように身につけられるものや、ミニ骨壺のように分骨して手元で供養できるものなどがあり、その人に合った供養を行うことが可能です。
また、墓地の管理費や永代供養費などのお墓を維持する費用も必要ないので、とても経済的です。
手元でご遺骨を供養する事で故人を身近に感じることができ、その人に合った形で供養出来たりするのが、手元供養が選ばれる理由となっています。
全骨と分骨の違い
手元供養をする際に重要な事が、全骨にするか分骨にするかです。どちらの方法を選んでも問題ありません。自分に合った手元供養の方を選ぶと良いでしょう
全骨とは
全骨安置とは、遺骨をすべて自分の手元へ置いておく供養の事です。全骨の場合、納骨する際の骨壺の大きさは大体6寸か7寸という大きさを選ぶ方が多いため、ある程度安置しておくのに場所が必要になります。
この大きさの骨壺を安置するのは難しいが、全骨手元に置いておきたいという場合は、小分けにする方法と粉骨(パウダー化)して入れ物を小さくする二つの方法があります。
分骨とは
分骨安置とは、ご遺骨の一部を手元に残し、残りをお墓に納骨したり散骨をする方法です。
全骨安置よりも骨壺のサイズを小さくすることができるため、こちらを選ばれる方が多いです。
ただし、分骨をする場合は遺骨の所有者から必ず許可を得る必要があります。
所有者やほかの遺族たちとしっかりと話し合い、納得してもらってから分骨をしてもらいましょう。
手元供養の方法・種類
最近では遺骨を保存するよう気もデザインや材質にこだわった者ものたくさんあり、バリエーションも豊富です。
人形やぬいぐるみのようなものから小物入れ風のもの、アクセサリーまで一見すると遺骨を保管しているとは思わないようなものもあります。
手元供養品にはどのようなものがあるか、ご紹介いたします。
骨壺・ミニ骨壺
遺骨や位牌の一部を入れて保管するものです。
骨壺といっても白一色の陶器だけでなく、ガラスやステンレス、磁器など素材やデザインなど趣向を凝らした物も多く、インテリア風に遺骨を安置することが出来ます。
アクセサリー
アクセサリーの中に遺骨や遺灰を入れて身につけたり、樹脂やダイヤモンド・真珠に加工してペンダントや指輪・ブレスレットにして身につけたりすることが可能です。
素材やデザインも豊富で、男性でも身に着けやすいデザインの物もあります。
常に故人を身近に感じていたいという方に選ばれる手元供養の方法です。
インテリア用品
ぬいぐるみや花器といったインテリア用品に遺骨を入れることが出来るため、骨壺に比べて自宅に置いても他のインテリアと調和し、違和感を感じることはないでしょう。
ミニ仏壇・飾り台
今ではお仏壇を家に置いているご家庭も少なくなっています。仏壇が無いご家庭でも少しのスペースで準備することが出来るミニ仏壇は、モダンでデザイン性が高いものが多く、お部屋のインテリアを邪魔することなく、コンパクトで場所を取らないので、お部屋の好きな場所に祈りをささげる空間を設けることが出来ます。
手元供養のメリット
故人を身近に感じられる手元供養には多くのメリットがあり、手元供養を選ばれる方も増えています。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
故人を身近に感じられる
お墓や霊園へ供養するよりも故人を常に身近に感じることが出来ます。手元供養では、方法によってはご遺骨の一部を使用し、お墓と手元供養を同時に行うことも可能です。
費用が抑えられる
お墓の場合、土地代、墓石の費用や施工費、永代使用料、管理費などが必要となります。手元供養ではこれらの費用の必要が無いため、費用を抑えることが出来ます。
お墓の管理がない
墓石の清掃、お墓回りの草むしりなどのお墓の維持管理は、お墓参りの際ご遺族が行われることが多いです。しかし、管理をされる方が高齢であったり、承継者がいない場合お墓の管理が難しくなる場合があります。
手元供養であればご遺骨が手元にあるため、そういった心配はございません。
保管場所に困らない
手元供養用品には小さなサイズのものが多いので、仏壇を置くスペースがないといった場合でも保管場所に困りません。
今ではリビングやインテリアになじむデザインの手元供養用品も多いため、好きな場所に祈りをささげる空間をつくることが出来ます。
手元供養のデメリット
メリットがある一方、デメリットもいくつかあります。注意すべき点をしっかりおさえておくことで、トラブルや失敗を防止することができます。
周囲の理解を得られない場合もある
手元供養が比較的新しい供養の形であることから、年配の方の中には「縁起が悪い」「違法なのでは?」という誤った思い込みから反対される方もいらっしゃるようです。
そうならないためにも事前に家族や親族としっかりと話し合うことが大切です。
他の人がお墓参りしづらい
手元供養は、故人のご家族や親族の方の元で供養をされていることが多いため、あまり親しくない方がお墓参りをと考えたときに、他人の家へ上がる必要があるためお墓参りをしづらいと感じる方がいらっしゃる場合があります。
管理が出来なくなった時の供養品の扱いを検討する必要がある
手元供養をしていた方が亡くなってしまったり管理が出来なくなった場合、供養品をどのように扱うのかを検討しておく必要があります。管理者が亡くなってしまった場合は供養品を一緒に棺へ入れる、親族が管理するなどの選択肢があるため、手元供養をする際に後々のことも検討しておきましょう。
残った遺骨はどうする?
手元供養では、自宅や身近に遺骨を保管できるよう小さい容器であることが多いため、残りの遺骨をどのように供養するか考えておく必要があります。
方法としては散骨や樹木葬、永代供養墓、別の手元供養品として供養するなど、様々な方法があります。
故人様の意思やご自身の負担などを考えながら、自分に合った供養方法を選択すると良いでしょう。
まとめ
手元供養の種類やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。手元供養は故人を身近に感じられるだけでなく、お墓に比べ自宅や好きな場所で供養できるというメリットがあります。ただし、デメリットももちろんあるため、手元供養について理解を深め、よく検討してみてください。