墓じまいの離檀料に関するトラブルで弁護士に介入して解決してもらったという話を聞くことがありますが、墓じまいに関するニュースは決して珍しいことではありません。離檀料(りだんりょう)の大変難しい点はお店で販売している商品のようにそれぞれ値札がついているものではなく、相場がはっきりとわからない点です。お寺から墓じまいをするときに高額な金額を請求されてしまった、裁判で決着をつけることになったという離檀料トラブル増加も近年気になるところです。
そこでお互いに納得して気持ちよく墓じまいをするためには、離檀料についてどのように考えるべきなのか、法律的に知っておくべきことがあるのかなど注意点について詳しく解説していきたいと思います。
1.離檀の意味について

離檀するという言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、墓じまいをする際には大切な意味がありトラブルにならないためにも本来の意味を正しく知っておきましょう。
離檀するということはなにをするのか?
墓じまいで離檀するというのは檀家をやめるという意味があり、それは同時に先祖代々お世話になったお寺との付き合いをやめるということにもつながります。
お墓が近くで頻繁にお墓まいりをする方ならお寺も身近な存在に感じるかもしれませんが、なかにはお墓が遠方にありお寺と関係があることを実感できない人もいるでしょう。檀家とは菩提寺とそこにある墓地を使う権利がある家のことを指し、檀家からのお布施でお寺は経済的なサポートをされています。墓じまいで離檀するということは現在のお墓を撤去したり別のお寺が管理する場所へ行き、お寺の檀家をやめることなのです。
離檀料とはどんな目的で払うものか
墓じまいの離檀料は菩提寺に「今までありがとうございます」という感謝の気持ちを表すものとして渡すお金のことです。気持ちを包むという場合、相場金額がはっきりありませんのでトラブルになることも。墓じまいをする際に支払いますが、法律で決められたものではありませんので、あくまでもマナーとしてある程度の金額を包むお布施として考えることが大切。
2.離檀料はいくら包むべきか

墓じまいの離檀料に関しては経験がなくいくら包むべきなのかわからない人が多いと思います。先祖を長い間供養してくれたお寺に対しては色々な気持ちが込められ、とくに感謝の気持ちはしっかり伝えたいところです。しかしそこで気になるのが相場金額、墓じまいの離檀料で一番注意すべき点になりますので、大切なポイントを見ていきたいと思います。
墓じまいの離檀料に相場金額や適正金額はあるのか
墓じまいの際の離檀料ですが、目安にする金額は3万~15万円ぐらいといわれています。この相場金額に幅があるのは年収の違いにより各世帯で異なることも理由のひとつ。金額が多い場合には20万円ほど墓じまいで離檀料を包むケースもあるようですが、お布施として捉える考え方がありますので法要の際のお布施と同等額にすることが一般的です。
墓じまいの離檀料を払う責任について
墓じまいの離檀料はマナーとしてお寺に支払うものですから、法的な責任を負って払うものではありません。そのためお寺が請求できるものではないのですが、墓じまいの離檀料に関しては檀家とお寺で意見が食い違うケースもあるようです。基本的にお墓を建てた時、契約書に離檀料として具体的な金額や支払いの責任などが明記されている場合はそれに従う必要があります。実際にはそのような契約書はなく、あくまでもマナーとして納めるお金なのです。お寺に対する感謝の気持ちがなければ、墓じまいで離檀料は支払わなくてもよいのではないか、という考えは論理的に許されること。しかし現実的には金額の差があるにせよ、墓じまいに離檀料は必要不可欠となるものなのです。
3.お寺から請求された場合

墓じまいの離檀料は相場金額を適正に把握することがとても難しいのですが、基本的にはいままでお世話になったお寺次第ともいえるでしょう。どのような付き合い方をしてきたか、お寺の格式や地域の風習などによっても相場金額が異なります。墓じまいでお寺から具的な額で離檀料を請求してくるという場合はほとんど稀ですが、もし高額な金額を要求されたらどのような対処をとるべきなのか大切なポイントを見ていきましょう。
高額請求でトラブルになるケース
墓じまいで離檀料はいくら包むべきなのかわからない人なら、お寺から具体的な金額を指定されて請求されたら払うべきものだと考えてしまうでしょう。なかには離檀料として数百万円または一千万円近くの法外な金額を請求されて弁護士に相談するといったトラブルもあります。なぜお寺がそのような請求をしてくるのかというと、日本の深刻な少子化社会でお墓を手放す人が増え、墓じまいで檀家を手放したくないためにこのような強硬な態度をとることもあるようです。
困った時はお寺の本山に確認してみよう
お寺から強制的に請求された場合、何となく事務的で納得できない場合なども確認のためにお寺の本山に相談することも大切です。離檀料の相場はあるようでないものですから、自分一人で判断するのは難しいでしょう。また宗派によっても相場が異なる場合もありますし、墓じまいを経験した同じ宗派の方にアドバイスしてもらうことも方法のひとつ。
もし一般的な相場金額以上の高額請求をされた場合には、お寺の本山に確認をしてください。後からトラブルになりお互いに感情的に納得できないまま墓じまいをすることだけは避けたいですね。
4.法的に注意することはあるのか?

たまにニュースで取り上げられることがある墓じまいの離檀料のトラブルですが、法的にはどのようなことを知っておくとよいか大切なポイントをご説明したいと思います。
法的な支払義務について
支払い義務が法的に発生する原因は、不法行為、不当利得・事務管理・契約・そのほかの特別な要因の5つになります。離檀料がこのうちのどれかに当てはまるのかというと、可能性があるものとして5つ目の「特別な要因」が考えられます。たとえばお寺のある地域では使用をやめるときに離檀料として慣習的に決められた金額を支払うという事実があるとしましょう。このような場合は慣習として法的根拠になる可能性がありますが、現実的には離檀料は慣習としてお寺側の請求が認められることはほとんどありません。そのため墓じまいの離檀料は法的に支払う義務はないものと考えてよいのです。
弁護士に相談するべきなのか
トラブルになった場合、法的に解決する手段を考える方もいるでしょう。弁護士に相談して訴訟や裁判で解決する方法は費用も時間もかかりますし、何よりも精神的な負担が増えることも考えないといけません。弁護士事務所の無料相談などを活用してアドバイスを受けることもできますし、行政機関に墓じまいについて問い合わせするのも方法です。できるだけお寺と交渉して解決することが一番の理想、困った時は家族や親類などと相談してあらゆる解決策を検討していきましょう。
離檀料について相談する方法について
お寺からの突然の高額請求、困ったときは法律の専門家である司法書士や行政書士に相談することも方法です。ほかにも墓じまいでお寺と意見が食い違った場合は石材店にアドバイスしてもらうことも大切。墓じまいで改葬事例を多く経験しているのでそのケースごとに合わせてよい解決策を提供してくれるかもしれません。古い石材店ならお寺の住職とも長い付き合いがあり、墓じまいの際に檀家との間にはいり仲介してくれることもあるでしょう。
まとめ
墓じまいの離檀料に関してはあらかじめお寺に確認しておくことも大切です。万が一高額な金額を要求された場合もいままでの感謝の気持ちを示し、支払いが無理であることを正直に伝え理解してもらうことも考えてみましょう。
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