お仏壇の役割・種類・お手入れの方法について

お仏壇の役割とは

お仏壇の本来の役割は、「家庭の中にお寺を設けてご本尊様をお祀りし、信仰すること」です。今でこそお仏壇は多くのご家庭に置かれていますが、昔はお寺や貴族、一部の上流階級の人たちだけがお仏壇を祀っていました。この頃のお仏壇は先祖供養ではなく、信仰を大切にするという意味を込めて置かれていたのです。

天武天皇

諸國（くにぐに）の家毎に佛舎を作り、即ち佛像と経とを置きて礼拝供養せよ。

仏様に日々手を合わせて、仏教信仰を重んじていこう。

貴族

一般庶民にお仏壇が普及し始めるのは、寺請（てらうけ）制度が整備された江戸時代からになります。民衆はいずれかの寺院を菩提寺と定め、檀家になることが義務付けられたのです。
この寺請制度をきっかけに、庶民の間でも亡くなられた方は戒名を授かることになり、戒名が刻まれたお位牌を祀るために、お仏壇が広がっていきました。
この頃からご本尊様とお位牌を一緒に祀るようになり、お仏壇に対する考え方が少しずつ変化していきます。

江戸幕府

「寺請制度」を敷くゆえ、どこかしらの寺院の檀家になることを命ずる。

ご本尊様と一緒にお位牌を祀れば、仏様がご先祖様を極楽浄土へ導いてくれる。

庶民

現代では、「ご先祖様や亡くなった方を供養するため」という考え方が一般化しており、手を合わせて日々ご冥福をお祈りする、命日に法要を執り行うための場所となっています。

お仏壇の種類

お仏壇のタイプは大きく分けて「金仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」の3つがあります。これらのお仏壇は大きさや材質、内部構造がそれぞれ異なり、宗派や地域によってどのタイプのお仏壇が用いられるか自然に決まってきます。
※お仏壇を選ぶ際に決まりや縛りはないため、宗派が違うお仏壇を選ぶこともできます。

お仏壇の取り扱いについて

お仏壇は丈夫で耐久性に優れており、その寿命は約50年と言われています。日頃からお手入れを欠かさず行えば、より長くお使いいただけます。

お仏壇の設置に適した場所

お仏壇は木工品で、過度な湿気や熱によって変化を起こすことがあります。そのため、冷暖房器具の風が直接当たらない・直射日光が当たらない場所に設置するとよいでしょう。
また、湿度によってカビが生えることもあるため、壁に密着しないよう空間を開けておくことも心掛けておきましょう。

お仏壇を掃除するタイミング

お仏壇の種類によっては内部構造が繊細なものや装飾品が多く付属しているものがあるため、お掃除する際は細心の注意が必要です。日頃から念入りなお手入れを心掛けたいところではありますが、時間や負担を考えるとそうもいきません。
お彼岸やお盆の前、年末など年に何回かしっかりお掃除する日を決めておくとよいでしょう。

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ここまでお仏壇に関する基本的なことを解説してきました。今後、お仏壇に関することでお役立ていただければ幸いです。
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