手元供養というのは、お葬式・葬儀後のご遺骨を手元に置いて供養する方法です。
お仏壇にご遺骨を納めて供養するのも手元供養ですが、机の上にご遺骨と遺影を置きお花とお供え物を置いて供養する格式や形にこだわらない方法もあります。
現在では、格式や形にこだわらない手元供養が注目を浴びていて小物入れのような骨壺、ネックレスにご遺骨をいれて身に着けるなど様々なご遺骨供養グッズが増えてきております。

手元供養について・増加背景

こういった手元供養をする方がなぜ増え続けているかといいますと、宗教に属している方よりも無宗教の方が多いのが一つの理由です。
無宗教の方のこれまでのご遺骨供養は宗教に属している方と同じように永代供養墓やどこかの寺院に永代納骨をするといった方法をとってきました。
ですが、お仏壇やお墓を持たなくても供養できる新しい供養の形が紹介されてからは手元供養の人気が高まっているのです。
手元供養は宗派に属している方にも人気で、お仏壇が古く新しく購入するより格式や形にこだわらない手元供養の方が安く維持管理も楽ですので、お仏壇じまいをして手元供養をする方が増えてきております。
現在では、手元供養の商品も人気の増加と共にかわいいタイプの物やモダンでシックな形の物など部屋の雰囲気を壊さないものなども出てきております。

手元供養によるご遺骨の保管方法はご遺骨を入れるものよって変わります。
こちらではどのような保管方法があるのか、またどんな種類のものがあるのかをご紹介いたします。

骨壺で手元供養

骨壺にご遺骨を入れてご自宅で供養する従来の方法でお仏壇の中に納めて供養するのが一般的です。
現在では、ミニ骨壺や宝石箱のような物にご遺骨を納めて供養するのも増えております。

ペンダントなどのアクセサリーで手元供養

ご遺骨を分骨して少量だけ遺骨ペンダントや遺骨アクセサリーに納めて手元供養するタイプです。
故人のご遺骨をペンダントなどに納めて形見のように持ち運べる手元供養で、故人との関係が深い方やいつまでも一緒にいたいと考えている方などに用いられます。
アクセサリーやペンダントタイプの物があり、他人が見ただけではご遺骨が入っていると分からないものが多く、他人の目を気にしないで身に着けられるのが良いポイントです。

ご遺骨を加工する手元供養

分骨したご遺骨を加工して手元に残す供養方法で、粉々にした宝石と混ぜ合わせて作る物やご遺骨の中の炭素に高温高圧をかけてダイヤモンドを作りアクセサリーにするものもあります。
ご遺骨を加工する物は人口宝石と呼ばれており安価で出来る物から高額の物まであります。

ペット用の手元供養

ペット用の手元供養品もあり分骨したペットのご遺骨をアクセサリーやペンダントに入れるタイプが多いです。
ペットのご遺骨はお墓やお仏壇に一緒に納めてはいけないとされており、ご遺骨はそのまま処理をするか、ペットようの合祀墓などに納めるしかありませんでした。
現在では、ペットと一緒に納めるお墓などもありますが、アクセサリーやペンダントに納める物の方が安価で人気があります。

手元供養にもメリット・デメリットはあります。
手元供養をやろうと思う前にメリット・デメリットをよく考えて決めるのが良いでしょう。
こちらではそんな手元供養を紹介いたします。

手元供養のメリット

費用が安い
手元供養は費用が安く済むのが良いポイントです。
お墓を建立するとお墓を建設する土地の永代使用料、お墓の費用や建設費用がかかり相場は180万円程（安くても100万円ほど）かかり、お仏壇も20万円～と値段が高いです。
ミニ骨壺セットやアクセサリーでの手元供養は1万円～お手軽に出来るのが良い点です。

将来への負担を減らせる
手元供養は維持管理がとても楽です。お墓などは定期的に寺院や霊園へお参りして維持管理しなければいけないのですが、ご自身が高齢になるほど通うのが難しく、子供達への負担も増えてしまいます。
手元供養でしたらご自宅での供養だけで済みますし子供達への負担も減らせます。

お部屋のスペースを取らず、外観も壊さない
ミニ骨壺セットやアクセサリーでの手元供養はお仏壇のように大きくスペースを取らず様式のお部屋でも雰囲気を壊しません。
ですが、お仏壇も現代の様相にあわせてモダンでコンパクトなタイプも出ており購入されているお客様も多いと聞いております。

手元供養のデメリット

残りのご遺骨をどうするか
お葬式・葬儀後にご遺骨を手元供養するにしても残りのご遺骨をどうするかの問題があります。
お墓をお持ちであれば分骨して納める事も出来ますが、無い場合は合祀墓・合同墓に納めるか、永代供養墓、樹木葬、散骨といった方法をとるのかしっかりと考えなければならないです。

紛失しやすい
アクセサリーやペンダントタイプの物は旅行先などで紛失しやすく、残りのご遺骨を散骨などで供養してしまった場合など、ご遺骨を手元に残す事が出来なくなります。

ご遺骨を身近においている事への抵抗感

ご遺骨を身に着けているのを良いと考えている方はばかりではないので、少し距離を置かれてしまう場合もあります。
ご遺骨をアクセサリーなどで身に着けている場合はあまりその事を話さないほうが良いです。

ご遺骨を納めているとわからず処理されてしまう

手元供養は見ただけではご遺骨を納めていると分からない物もあり、ご遺骨を納めている事を家族や親類へ話しておかないとご自身が亡くなったあとにそのまま捨てられてしまう場合もあります。
しっかりと将来の事を相談できる方へ手元供養の事なども話しておきましょう。

手元供養ではお仏壇を用いない供養するのもありますが、魂入れ・開眼法要・御移徒をしなければいけない物もあります。
クリスタル位牌などの故人の戒名を彫っている物、ちいさい仏像などに納める物などは魂入れ・開眼法要・御移徒をしなければいけません。
それ以外の、加工した宝石やアクセサリー、ミニ骨壺といったものは魂入れ・開眼法要・御移徒をしなくてもよいです。

手元供養されたとしても一周忌・三回忌・七回忌といった年忌法要は行わなければなりません。
手元供養はご遺骨の供養方法であり年忌法要がなくなるわけではありません。仏教に属している方は忘れないようにしてください。
無宗派の方も知識として年忌法要といった故人を供養する法要もあるのだと覚えておくのがよいでしょう

手元供養はお墓やお仏壇などに代わる新しいご遺骨供養の形です。
大切なのは故人を供養する心ですので、お墓やお仏壇といった形に拘らなくてもよいのです。
安価だから・維持管理が楽だから・めんどうな宗教付き合いがないなどの理由で手元供養するのではなく、故人を手元に置いて身近に感じながら供養していく心を忘れないようにしてください。