お墓参りにもマナーはあります。お墓がある所は寺院か霊園、中には山の中にポツンとある墓地、個人墓地もありますが、ほとんどの墓地は皆さんがお墓参りする場所です。
マナーを守らなければ他の方に迷惑な行為をしてしまう、寺院や霊園のルールに反することにもなります。
そのようなことにならないようマナーやお墓参りの掃除の手順、基礎知識・方法・供養の仕方を予習していきましょう。

お墓参りは先祖が眠っている墓石や周りの掃除

お供え物をお供えして先祖への感謝をして祈り

お片づけをして帰宅する

この三つの事を押さえておけば大丈夫です。
彼岸やお盆・正月、年忌法要などの時は用意する物や種類が多少違うだけです。

お参りする時期やタイミングですが、地域の風習などで多少違いがありますが、基本的な時期はこちらになりますのでチェックしていきましょう。

両親の月命日・祥月命日

春彼岸・秋彼岸

7月の新盆・8月の旧盆・初盆

年忌法要（一周忌法要・三回忌法要・七回忌法要など）

正月前・正月明け（年末年始）

これらの節目や時期にお参りするのが昔からの慣習です。
7月8月の新盆・旧盆は地域によりどちらかの時期にお参りするのが良いですが、休みがとりやすい8月の旧盆のほうがお参りしやすいのではないかと思います。
体調が思わしくない、雨や風がひどい日、台風、地震などの場合は無理をしていかないようにして、後日お墓参りするようにしましょう。

お墓参りの服装は普段着に運動靴で良いです。運動靴は墓地が雨などでぬかるんでいたり、整地されていない場所もあるので動きやすい靴のほうが良いです。
※納骨堂へのお参りも同じです。

普段のお墓参りの持ち物マナー

掃除道具（スポンジ・雑巾・ごみ袋・箒）

線香・ろうそく

マッチ・ライター

お供え物

お供え物用の半紙

ジュース・お茶（ペットボトルや缶でも良い）

お花・供花

手桶・柄杓（寺院や霊園によって無料サービスで貸出している場所もあります）

虫よけスプレー

数珠

四十九日法要・年忌法要・新盆旧盆・年末年始など法事・法要ある場合の服装マナー

法事・法要でお墓参りする時の成人男性の服装マナーや髪形マナー

• 黒のシングルかダブルのスーツ、ジャケットも黒のシングル・ダブルでスーツは黒・濃紺・ダークグレーなどの喪服の基本となる色を選びましょう。
• ワイシャツは白色の無地
• ネクタイは黒無地の柄無し
• 裾はシングルにしましょう
• 靴下は黒色の無地、なければ黒色に近い靴下
• 靴は光沢などない黒の物にしましょう
• 髪色などは自由で良いのですが、髪型などおとなしい形に整えて出席しましょう
• 鞄はなるべく動物などの革製の物はやめて黒に近いものを選びましょう
• 香りの強い整髪剤や香水などはつけないようにしましょう

法事・法要でお墓参りする時の成人女性の服装マナーや髪形マナー

• 女性の服装はワンピースや瀬戸アップ、黒スーツなどを着用しましょう。
• スカートなどの色は黒・濃紺の物にしましょう。
• 鞄などは動物の革製の物は選ばないようにして黒色に近いものを選びましょう。
• ストッキングなど黒色無地を選び、タイツは特に寒い地域などでは履いている方もいますが、そうでない場合はやめましょう。
• 靴は黒の布製パンプスなどを、革製や派手なものはやめましょう。
• 髪型はショートヘアや肩まで伸ばしている方は清涼感を大切に整えましょう。
• ロングヘアの方は焼香やお辞儀をするときに広がる場合がありますので、何かでまとめておくのが良いでしょう。
• ゴムやバレッタなどヘアアクセサリーなどは黒色の物を。
• 香りの強い香水は控えてください。

法事・法要でお墓参りする時の子供の服装マナーや髪形マナー

• 子供の服装は幼稚園・中学校・高校で着用している制服で良いです。私立の制服で着用して明るい色などでしたら黒色の私服で参加しましょう。
• 私服で参加する時は、白のシャツやブラウスなどトップスに、色は黒・濃紺・ダークグレーを選びましょう。
• スカートは最低限、膝が隠れるもので黒色の物。
• 靴下・靴は黒色の物を選びましょう。
• 髪型は派手な色合いや髪形はやめて、香りの強い整髪剤などは使用しないようにしましょう。

法事・法要でお墓参りでの上着・コート・セーターのマナー

• 上着やコート、セーターは寒い時期必要です。上着を着ていく場合もなるべくシンプルなもので革製品の物などは選ばないようにしましょう。

法事・法要でお墓参りする時の男性・女性のアクセサリーや化粧のマナー

• 男性は、アクセサリーは派手なものは避けてください。カフスボタンは着けるのでしたら黒、ネクタイピンは付けないように。
• 時計など法要中は外しておいてください。
• 女性は、アクセサリーは指輪以外の物は付けないのが一般的ですが、一連の白や黒のパールのネックレスやイヤリング（ピアス）は付けても良いといわれております。
• 化粧はナチュラルメイクが良いとされており、派手な化粧は控えましょう。
• アイメイクやチークなども、派手な色はやめましょう。
• ネイルアートや着け爪は控えて、どうしてもという方は黒の手袋をして隠しましょう。

四十九日法要・年忌法要・新盆旧盆・初盆など法事・法要がある場合の持ち物マナー

• 掃除道具（スポンジ、雑巾、ごみ袋、箒）、線香・ろうそく、マッチ・ライター
• お供え物、お供え物用の半紙、飲み物（お酒・ジュース・お茶）、お花・供花
• 手桶・柄杓（寺院や霊園によっては無料・サービスで貸し出している場所もあります）
• 虫よけスプレー
• 御布施、参列者がいるのでしたら香典返しなど
• 数珠、葬式後に納骨式がある場合はご遺骨も
• 卒塔婆（法要で使わない場合は必要ありません）

普段のお墓参り

お墓参りをする前に寺院であれば本堂に納められている本尊様へ本堂正面に向かって合唱礼拝しましょう。

お墓についたら墓掃除をいたします。水場できれいな水を汲み雑巾化スポンジで墓石の汚れを軽くふきあげお墓の周りの雑草などを抜き枯葉があれば掃き出しましょう。
※注意として、たわしでお墓を磨くと傷がついて雨が入りひび割れの原因となりますので止めましょう。
※隙間などを掃除するコツは歯ブラシがあればきれいに掃除できます。

掃除が終わりましたら、お供え物・お花を供え、線香・ろうそくに火をつけます。

準備が終わりましたら黙祷し先祖への感謝や近況報告など伝えることを念じます。

その後、片付けをして帰ります。

自宅に帰りましてお仏壇があればお参りして供養しましょう。
＜留意事項＞

• お供え物はカラスがつついて汚れるので持ち帰りましょう。
• お墓参りで出たごみなどもごみ袋に入れ持ち帰りましょう。

法事・法要でお墓参り

事前にお坊さんに法事・法要の手続きをいたしましょう。

お墓参りをする前に寺院であれば本堂に納められている本尊様へ本堂正面に向かって合唱礼拝しましょう。

寺院のお墓での法要でしたらお寺さんへ挨拶して法要をお願いいたします。

法要前にお墓の掃除をして準備をします。水場できれいな水を汲み雑巾化スポンジで墓石の汚れを軽くふきあげお墓の周りの雑草などを抜き枯葉があれば掃き出しましょう。
※注意として、たわしでお墓を磨くと傷がついて雨が入りひび割れの原因となりますので止めましょう。
※隙間などを掃除するコツは歯ブラシがあればきれいに掃除できます。

掃除が終わりましたら、お供え物・お花を供えお坊さんの到着を待ちます。

お坊さんが来られたら灯燭にあるロウソク・線香に火をつけ法要を始めてもらいます。

法要が始まりましたら静かに見守ります。

法要が終わりましたら、他の親族ではなく喪主様がお坊さんへお布施を両手でお渡しします。（車で墓地まで来られた場合は御車代もお渡しする）

お坊さんを見送りその後、片付けをして帰ります。

自宅に帰りましてお仏壇があればお参りして供養しましょう。
＜留意事項＞

• お供え物はカラスがつついて汚れるので持ち帰りましょう。
• お墓参りで出たごみなどもごみ袋に入れ持ち帰りましょう。

お墓参りでのお供え物など普段の時と時期によって特徴や違いがあり何を持っていけばいいのかわからない方もいらっしゃると思います。
こちらでは、普段のお参り・春彼岸秋彼岸・新盆旧盆・正月でのお供え物を紹介させて頂きます。

普段のお墓参りでのお供え物・仏花マナー

お供え物マナー
「先祖が生前好きだったもの、飲み物（お酒・ジュース・お茶）、お菓子」
お墓に乗らないほど大きいものはお墓の手前か横に置きましょう。
お参りが終わったらお供え物を持ち帰りましょう。

仏花マナー
お墓参りの仏花はとげのある花・香りの強い花・毒がある花は避け、季節のお花かお花屋さんなどに売られている仏花セットなど価格もリーズナブルですので購入すると良いと思います。
お花の選び方がわからなければ花屋さんに聞いてもらうのが良いでしょう。

春彼岸・秋彼岸　お墓参りでのお供え物・仏花マナー

お供え物マナー
「先祖が生前好きだったもの、春はぼたもち、秋はおはぎ（春の牡丹、秋の萩にちなんで）、お酒・ジュース類」
お墓に乗らないほど大きいものはお墓の手前か横に置きましょう。
お参りが終わったらお供え物を持ち帰りましょう。

仏花マナー
春彼岸・秋彼岸でのお墓参りの仏花はとげのある花・香りの強い花・毒がある花は避け、白百合・胡蝶蘭・トルコキキョウ・カーネーションなどを供えると良いでしょう。
お花の選び方がわからなければ花屋さんに聞いてもらうのが良いでしょう。

新盆・旧盆でお墓参りする時のお供え物と仏花マナー

お供え物マナー
「先祖が生前に好きだったもの、夏の果物（スイカ・桃が人気です）、お酒・ジュース類」
お墓に乗らないほど大きいものはお墓の手前か横に置きましょう。
お参りが終わったらお供え物を持ち帰りましょう。

仏花マナー
お盆のお墓参りの仏花はとげのある花・香りの強い花・毒がある花は避け、鬼灯・リンドウ・カーネーションなどで他わお好みで合わせましょう。

お墓参りのお供え物に適さないもの

生ものなどは殺生をイメージする物ですのでお供えには適さないと言われており、無宗派であればお供えしても良いですが、腐りやすいのでお供えしても持ち帰るようにしましょう。
仏教では「ねぎ類」「にんにく」「にら」「らっきょう」「しょうが・山椒」等の食べ物は禁じられていますのでお供えしないようにしましょう。
仏教以外でも他の宗派で禁じられている飲食物はお供えしないようにしましょう。

日本全国の寺院墓地や公営霊園など基本的に入場は無料です。
天気予報の情報などしっかり確認してからお墓参りをしましょう。
寺院や霊園の利用規約に違反しないようにしましょう。
寺院墓地や霊園のお墓はその場所をお借りしているだけですのでお墓の周りを許可なくお花を植えたり、花立用の穴を掘ったり、飾り付けたりなどはやめましょう。
持ち帰ったお供え物などは口にしても大丈夫です。
お墓参りでは音楽などほかの方に配慮してマナーモードにして鳴らさないようにしましょう。
お供え物はそのまま置いておくと腐ってしまうのでなるべく持ち帰るようにしましょう。
お墓参りで出たごみなどは必ず持ち帰るようにしましょう。
寺院や霊園では夜間も門が開いているところがありますが、その時間帯に入るのは失礼ですので入らないようにしましょう。

その他の寺院墓地・霊園での注意点や決まり事

先祖や遺族が眠っている所を荒らさないようにしましょう。
許可を取らない勝手な改葬や建墓をしないようにしましょう。
墓地や霊園では肝試しが定番ですが、墓地や霊園は先祖を供養している所ですので止めましょう。
花火などの火事の原因や可能性となるものの使用はしないでください。
タバコは喫煙所以外では吸わないようにしましょう。
葬儀費用などは金額が大きいのでお墓参りの時ではなく寺院へお越ししてお渡しください。

お布施料金（費用）の相場

月参りの読経　3,000円～10,000円

四十九日での読経　10,000円～
（7日ごとに1万円で四十九日にまとめて7万円渡す場合もあります）

お墓参り　年忌法要の読経　30,000円～50,000円

お墓参り　お盆経の読経　3,000円～30,000円

お墓のお施餓鬼などの行事での読経　10,000円～50,000円

御布施袋

御布施の袋は白の水引が印刷された袋か白無地の封筒で良い。

表書きの書き方は「御布施」「御霊前」「御車代」で良い。

お墓参り　お坊さんをお呼びした時の注意点

お寺の法要後、お墓参りでの読経供養の場合は御布施を個別に用意する必要はありません。

僧侶が車での移動が必要な場合は御車代が必要です。

お供え物やお花などを僧侶へお渡ししたいときは荷物になるため、小さなものにしましょう。

お墓参りのマナー・流れ・時期・作法などわかりましたでしょうか？
仏教・神道・その他の宗派でもお墓参りの仕方はほとんど変わりがありませんし、霊園などでも細かなところは資料請求してルールなど確認して頂ければ良いと思います。
この記事を読んでいただければ気持ちよくお墓参りが出来るはずです。
最後に、お墓は年々少なくなっていく傾向にあります。いろいろな事情によりお墓の維持が出来なくなり永代供養をお願いしお墓じまいをして永代供養墓へ移すことが多くなっておりますが、子孫の宗教離れや無関心な事も原因です。お墓参りで先祖供養の大切さお墓の維持存続を子供たちに伝える事も両親の役目です。
私たちが全部やっておくと言って子供に何も伝えなければお墓の必要性や宗教の必要性、先祖供養の意味もないと思うでしょう。
老後の事も考えて、お墓参りの時期になりましたら子供たちもつれて家族でしっかり先祖供養をしてお参りをしましょう。
疑問や質問などありましたらご自身で考えず涙そうそうまでご連絡ください。